神戸製鋼データ改ざんと日本サラリーマン病

 神戸製鋼がピンチに立たされています。信用回復することは相当厳しいでしょう。近い将来、良くて同業他社に吸収合併される、悪ければ解体されて、それぞれの部門が別の組織の一部となるのではないでしょうか?

 

 2017年11月9日、NHKクローズアップ現代「内部証言で迫る“不正の深層”~神戸製鋼・日産で何が~」を観られた方もいらっしゃると思います。

 

 何十年同じようなデータ改ざんをしてきたかもわからないくらい、データ改ざんが当たり前の作業となっていたのです。「50のものを100というのは悪いことだが、99のものを100と言って何が悪いのかわからない」という元役員もいるようです。

 本来、100の性能のモノを製造しようとしたけれども、結果99の性能のモノが出来てしまった場合、お客様に事情を説明します。そして、ご理解を得られたなら、アウトレットとして値引き等して引き渡しをするそうです。

 つまり、神戸製鋼は、B級品を正規品として売り渡していたということになります。

 

 こういう会社は、筆者の経験則では、何度問題になっても同じようなことを繰り返す可能性が高いです。

 

 さらに、「メイキング」という隠語までが職場で浸透していたそうです。日本人らしいネーミングです。

 

 ネーミングで不正をすることは、東芝でも行われていました。「チャレンジ」という達成不可能な目標を上層部が強要して、それを課せられた部署が「できました」と報告します。上層部は心の中では「作文だな」と思いながらも、知らないふりをするというものです。

 

 実は、「チャレンジ」とか「C」とかの隠語を使って不正をしている企業を他でも確認したことがあります。日本人が同じような思考回路でネーミングすると、「メイキング」「M」「チャレンジ」「C」と言うようになるのでしょう。

 

 ちなみにこの東芝以外の「チャレンジ」を使っている企業は徐々に経営が悪くなってきています。そして、他社の不正が明るみに出ても、他人事のように日々を過ごしています。

 

 もし、個人がその悪習を指摘したとしても、その指摘した「間抜けな」社員が飛ばされるだけで、何も変わることはないのです