のぞみがトンネル内で人をはねる、JR西日本の組織文化

 最近、安全神話の代名詞である新幹線の事件事故が続いています。

 

 なたを持った男が暴れた事件はJRが気の毒だったとしても、山陽新幹線で起きたトンネル内で人をはねた事件はどうでしょうか。

 

 確かにトンネルに人がいるなんてJRも気の毒だと思いますが、事後の対応について批判されています。少し前にあった、台車のヒビ事件も同様です。

 

 「なぜ、マニュアル通り、本部に報告するなり、列車を止めなかったの?」

 

 そう、これは立派なマニュアルがあるのにも関わらずそのマニュアルを守らなかった、という事案なのです。

 

 福知山線脱線事故(これもJR西日本)も「安全第一」というルールがあるのに、運転手が時間厳守を優先して起こした事故でした。

 

 今回の事故もテレビや新聞で色々な方が解説されておりますが、私と同じ視点の人が見当たらなかったので出しゃばってここに記します。

 

 本来、企業においてマニュアルに基づいて行動するのは当たり前のことなのですが、その明文化されたマニュアルより優先されているのが、「暗黙の了解」という組織文化です。

 

 例えば、マニュアル通り、運転手さんが列車を停めたとしましょう。そして、何もなかった、遅延してしまった。そうすると、この運転手さんは上司に怒られるのです。「大した事なかったのになんで停めたんだ」と。

 おそらくマニュアル通りに停めた場合、300回に299回くらい、何もなかったのに停めたことになるのではないでしょうか?

 マニュアルを守って遅延させるより、マニュアルを無視して高確率に賭ける方を好む上司が多くいる会社、その上司の思いを忖度する部下たち・・・(忖度、という言葉便利ですね)

 

 難しい問題ではありますが、明文化されたルールより「暗黙の了解」を優先させている組織はそんなに少なくないと思います。

 

 自動車業界などの数値偽装も組織文化から生まれたものです。そういう文化を維持する人間が管理職以上に多く就いているのです。

 

 JR西日本は今後、どう変わっていくのでしょう。そう言えば、福知山線脱線事故の後は、「安全第一」を言い訳に極端にだらしなく遅延させまくっていました。そして、ほとぼりが冷めた頃、また、「暗黙の了解」を優先する組織に戻っていたようです。

 

 JR西日本JR東日本JR東海のレベルに追いつかれますことを祈念しております。